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帯状疱疹

帯状疱疹とは

体調を崩しやすい季節の変わり目は、帯状疱疹にかかる人が多い時期です。近年は水ぼうそうにかかる人が減って、帯状疱疹に掛かる人が増えています。
年配の⼈がかかりやすい疾患ですが、最近は働き盛りの若い⼈にも増えています。
帯状疱疹は⽔ぼうそうと同じウイルスが原因で起こります。
ウイルスといっても⼈から⼈へうつるのではなく、⼦供のときに発症した⽔ぼうそうのウイルスが体内の神経節に残っていて、体の抵抗⼒が落ちたときに、潜んでいたウイルスが活発になって症状が出ます。

このとき、⽪膚と神経の両⽅でウイルスが繁殖して炎症が起きているため、強い痛みを感じます。
この炎症は体のどの部位にも起きますが、⾝体の左右どちらか⼀⽅の神経に沿って、強くズキズキ、ピリピリと痛むときは「帯状疱疹」をまず疑います。

帯状疱疹
痛い! 湿疹は
「帯状疱疹」と「口唇ヘルペス」を疑いましょう。

発症後しばらくすると、その部分が帯状に⾚くなり、やがて⼩さくて透明な⽔ぶくれが集まってでき、ときには⻩⾊くなります。

1〜2週間でかさぶたになり、2〜4週間くらいでかさぶたが取れて治癒します。
⼀般的には、⼀度帯状疱疹にかかると再発することはまれです。
⽔ぶくれの中にはウイルスが密集しているので、つぶさないようにしましょう。
⼩さな⼦どもなど、まだ⽔ぼうそうにかかっていない⼈には接触感染することがあります。
お⾵呂も、⽔ぶくれがかさぶたになるまでは、別々に⼊ったほうがいいでしょう。

帯状疱疹

できるだけ早めに治療を始めましょう

帯状疱疹は症状によっては⼊院して点滴が必要なこともあります。
また、発症時に強く痛むだけでなく、治ったあともいつまでも痛みが続く帯状疱疹後神経痛になることも。
顔や頭にできると、⽬に感染して視⼒障害を起こしたり、顔⾯神経の⿇痺を起こしたりすることもあります。
後遺症を残さないためにも、症状が出たらできるだけ早い時期に受診して、治療を始めましょう。



50歳以上は予防接種も効果的

幼少時、水ぼうそうにかかって作られた抗体は20年ぐらいすると弱くなります。
弱くなってきた頃に、水ぼうそうにかかっている子供が近くにいると、弱まってきていた免疫力が再度活性化され、ワクチンを接種したときと同じように働いてくれます。

ところが、最近は水ぼうそうのワクチンを接種するのが一般的になり、水ぼうそうにかかる子供さんが減ってきているため、若年層の帯状疱疹が増えています。

帯状疱疹は加齢により免疫力が低下することで発症することが多く、重症化したり、帯状疱疹後神経痛になったりする可能性も高くなってきます。
そのため、50〜60代ぐらいで水疱ワクチンを接種するのがいいと思われます。

厚生労働省は水痘ワクチンの効果・効能に50歳以上の帯状疱疹の予防も追加承認しました。一度接種すると10年ぐらいは効果が持続すると言われています。 たまに、ワクチンを接種することで帯状疱疹にかかってしまうこともあるので経過もしっかり診ます。



立川市でワクチン助成事業が始まりました

当クリニックのある東京都立川市で帯状疱疹ワクチン任意接種助成事業が始まりました。
立川市に住民登録がある50歳以上の方で、過去にこの事業による助成を受けたことがない方が対象となります。

助成を希望される場合は事前に立川市への申込みが必要となります。
詳しくは立川市のホームページをご確認ください。

治療メニュー

帯状疱疹ワクチン「シングリックス」

「シングリックス」は50歳以上が対象の、帯状疱疹を予防するためのワクチンです。接種間隔を2ヶ月あけて2回接種(筋肉内注射)することで、帯状疱疹に対する十分な予防効果が得られます。

帯状疱疹ワクチンには「不活化ワクチン」と「生ワクチン」とがありますが、シングリックスは「不活化ワクチン」です。病原性を弱めた最近やウイルスそのものを成分とした「生ワクチン」とは異なり、病原性をなくした細菌やウイルスそのものを成分としています。

接種後30分はクリニック内で安静にしていただき、接種当日は激しい運動を避けましょう。接種後は多くの方に注射部位の痛みや腫れなどの副反応があらわれますが、多くの場合は3日以内に治まります。症状が続く場合や、気になる症状がある場合はご相談ください。

内容 料金(税込)
1回 ¥22,000
※明らかに発熱(37.5℃以上)している方、重い急性疾患にかかっている方、過去にこのワクチンの成分でアナフィラキシーを起こした方、その他医師が不適当と判断した方は予防接種を受けられません。

保険内服薬・外⽤薬

ウィルスの増殖を抑制する抗ウィルス薬(バルトレックス、ファムビル、アメナリーフ)が治療のメインとなります。内服期間は原則7日間です。
効果が出るまでに2~3日の期間を要するため、皮膚症状が出現してから3日以内に内服するのが望ましいとされています。処方されたお薬の用法用量を守って、きちんと内服することが大切です。
帯状疱疹後、神経痛が残る場合は鎮痛薬を処方します。鎮痛剤にはカロナール、ロキソニン、メチコバール、リリカ、ノイロトロピンなどさまざまあり、痛みの強さに応じて複数の薬剤を処方することがあります。また、体を温めると痛みが和らぎます。
皮疹には炎症を抑える軟膏を処方します。水ぶくれ(水疱)にはウィルスが存在しているので、かさぶたになるまでガーゼで保護しておきましょう。