赤ら顔・酒さ

赤ら顔とは
赤ら顔には、皮膚の下に血管が透けて見える毛細血管拡張症と、皮膚そのものが赤くなる場合があります。
原因は、ニキビ・ニキビあと・敏感肌・脂漏性皮膚炎・ホルモンバランスの崩れ・自律神経の乱れ・ステロイド剤の長期外用など様々です。また、色白の方や寒冷地にお住まいの方も、赤ら顔の症状が出やすいといえます。
毛細血管拡張症治療には、以下の選択肢があります。
- 色素レーザー(Vビーム)
- Vフェイシャル
- シルファームX
- フォトフェイシャル
- ポテンツア(RFニードル)
- ジェネシス
- ロングパルスヤグレーザー
治療法の特徴を活かして、医師と相談して治療を選ぶことができます。
皮膚の赤みによる赤ら顔は、以下のような原因に応じた治療を行う必要があります。
- ニキビ、ニキビあと
- 脂漏性湿疹
- 乾燥肌による赤み
また、ビタミンC誘導体(ICローション、ICミルク、ICエッセンス)は、さまざまな皮膚の炎症を鎮静化することができます。

「酒さ」とは?(症状と原因)
赤ら顔は皮膚の下に透けて見える血管が拡張したり(毛細血管拡張症)、皮膚そのものが赤くなることで起こりますが、酒さ(しゅさ)は主に顔の中心部(鼻、頬、額など)に強い赤みやニキビのようなブツブツが同時に出る皮膚疾患です。
30代〜50代になると発症しやすく、ほてりやかゆみ、むくみ、チクチクとした痛みなどを伴う場合があります。また、女性に多いことや、症状が数ヶ月以上に渡ってしつこく現れることも特徴です。
酒さの原因は毛細血管拡張症とは異なり、まだはっきりとわかっていません。
顔の皮膚表面の免疫異常や、紫外線や気温の変化、精神的なストレス、遺伝、飲食による体内環境の変化などの要因が影響しているのではないかと考えられています。
「酒さ」の種類
酒さは主に4つのタイプに分けられます。複数の症状が同時に現れることもあり、治療法も種類や程度によって変わります。

- ① 紅斑毛細血管拡張型
- 顔の中心部分(鼻や頬、アゴ、眉間、額など)から赤みが広がり、毛細血管の拡張が目立ちます。主にほてりやかゆみ、ヒリヒリ感などの症状があります。
- ② 丘疹膿疱型(きゅうしんのうほうがた)
- 紅斑毛細血管拡張型の症状が進行すると、ニキビのような赤いブツブツや膿疱が現れてきます。ニキビと違って毛穴の詰まりがないので、治療法が異なります。
- ③ 瘤腫型・鼻瘤(びりゅう)
- さらに進行すると赤いブツブツが増えて集まり、皮膚が厚くなって瘤腫(こぶのようなもの)ができます。特に鼻にできると皮膚が赤紫色に変化し、みかんの皮のようになります(鼻瘤)
- ④ 眼型
- 目のまわりの腫れや充血、異物感、かゆみなどが生じ、結膜炎や角膜炎を引き起こす場合もあります。比較的珍しいタイプの酒さです。
「酒さ」の治療法
毛細血管拡張症は自然には治癒しませんが、酒さは時間こそ要するものの、改善する場合があります。
当クリニックでの酒さの治療では、アメリカ食品医薬品局(FDA)で酒さ治療薬として承認されたイベルメクチンクリーム(自費診療)や抗菌薬、メトロニダゾール(ロゼックスゲル)、アゼライン酸(AZAクリア・自費診療)などを使い分けています。
また、Vビームなどの毛細血管拡張症に使用するレーザーも使って治療していくこともあります。
クリニックでの治療だけでなく、日々のスキンケアや悪化因子を避けることも、酒さを改善するうえで大事な要素のひとつです。
治療メニュー(酒さ・赤ら顔)
色素レーザー(Vビーム)
レーザーが赤い色素にだけ反応するので、正常組織の損傷は最小限に抑えつつ、赤みの原因である余分な毛細血管と色素を除去。他の皮膚と色調をそろえることができます。
レーザー照射時は同時に冷たいガスを吹き付けて熱から肌を守るため、輪ゴムでぱちんとはじかれた程度の痛みしかありません。
保険適用となりますが、治療範囲や治療期間には制限があります。
料金(税込) | 3割負担の方で¥10,000前後 |
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治療期間 | 3ヶ月に1回 |
Vフェイシャル
色素レーザー(Vビーム)を看護師でも施術できるように細かく調整した施術で、全顔や両頬を全体照射することができます。
麻酔や施術後の化膿止めクリーム、2週間後の経過観察が不要で、治療間隔も3〜4週間おきでOK。
自費診療となりますが、比較的お手軽に施術を受けられます。
料金(税込) | 両頬 ¥16,500 |
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全顔 ¥23,100 | |
治療期間 | 3〜4週間間隔で3〜5回 |
シルファームX
マイクロニードルの先端から高精度なRFをピンポイントで照射し、肌質を改善する治療機器です。
赤ら顔の治療では毛細血管が存在する真皮層に照射することで以上毛細血管を除去し、赤ら顔の原因となる新生血管の増生を抑制します。
これまで治療を受けてもなかなか効果が出なかった方には特におすすめです。
料金(税込) | 全顔 ¥22,000 |
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フォトフェイシャル
照射すると赤血球に反応し、周囲の血管にゆっくりダメージを与え、赤ら顔の原因となる血管をなくしていきます。シミ、小ジワ、ニキビあとの赤み、毛穴など、複数のお悩みを同時に解決することが可能です。
料金(税込) | 顔全体 ¥23,100 |
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両頬+鼻 ¥16,500 | |
治療期間 | 1ヶ月に1回 |
ジェネシス
レーザーの光が細かい血管を狙い、皮膚表面全体を加熱することにより、肌質改善、小ジワ改善、赤ら顔・毛細血管拡張を軽減し、肌の赤みを目立たないようにしてくれます。
料金(税込) | 顔全体 ¥23,100 |
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治療期間 | 2~3週間に1回 |
ロングパルスヤグレーザー
レーザーが赤い色素にだけ反応することで、赤みの原因となっている余分な毛細血管や色素が除去され、他の皮膚と色調をそろえることができます。
料金(税込) | 1ショット ¥1,100 |
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5cm² ¥11,000 | |
治療期間 | 2ヶ月に1回 |
治療メニュー(酒さ)
イベルメクチンクリーム
イベルメクチンクリームは酒さの治療薬のひとつです。ニキビダニに対しての駆虫作用、抗炎症作用があり、丘疹膿胞型の酒さに効果を発揮します。
国内では非承認ですが、アメリカ食品医薬品局(FDA)では酒さの治療薬として認可されています。刺激性が極めて少なく、安全性も高いです。
早い場合は治療開始から2週間で効果を発揮し、12週間後には75%の炎症性病変を減らしたという報告もあります。
副作用もほとんど見られませんが、まれに赤み、かぶれ、湿疹、じんましんなどが起こる場合があります。
また、妊娠中や授乳中の方は使用をお控えください。
料金(税込) | ¥3,960 |
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治療期間 | 1日1回 |
アゼライン酸(AZAクリア)
アゼライン酸はニキビの始まりのコメド(微小面皰、白ニキビ、黒ニキビ)を改善する外用薬です。ディフェリンゲル(ビタミンA類)などの外用薬に比べると皮膚への刺激が少なく肌荒れも起きにくいのが特徴です。
また、小麦などの穀物由来の成分からできていて日常で口にしている成分なので妊娠中や授乳中にも安心して使用できます。
※初めてお使いの場合は、診察・カウンセリングが必要です。
料金(税込) | 15g ¥1,580 |
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治療期間 | 1日2回 |