冬になると、主婦手湿疹で手が荒れて、ひどいときはパックリ割れてしまうことも。なぜ冬に悪化するんでしょう? 保湿クリームを塗っているけれど、ほかに予防法は?
A.かなりこまめに保湿クリームを塗ってください。手洗いの回数や、お湯の温度にも気をつけて。
手のひらや指には、さまざまな湿疹ができるため、年間を通して多くの方が受診されます。その中でも、水仕事などの家事がおもな原因で、主婦によく見られる症状を指して、主婦手湿疹と呼びならわしています。
なぜ手のひらに湿疹ができやすいのかというと、手のひらには皮脂を分泌する脂腺(しせん)がないからです。もともと少ない手のひらの皮脂を、洗剤やせっけんが奪ってしまうために、外部からの刺激や乾燥を防ぐことができずに起こるのです。
冬場に悪化しやすいわけは、気温が低くなると、発汗や皮脂の分泌が低下するため、皮膚全体が乾燥するからです。また、洗い物や入浴の際に使うお湯の温度が高いと、少ない皮脂を余計に取り去ってしまいます。冬になると、インフルエンザの予防で手洗いの回数が増えたり、大掃除で洗剤や水に触れる機会が増えるのも、原因に挙げられます。
主婦手湿疹は、予防が一番の治療です。毎年ひどくなるという人は、日々のケアを抜かりなくしましょう。
(1) 水仕事・掃除の際は必ず手袋をする
ゴム手袋はじかにつけず、中に綿の手袋を重ねます。軍手はゴワゴワしていて肌に刺激を与えるため、綿手袋を使うといいでしょう。汗をかいたら、綿手袋は取り替えることです。
(2) こまめに保湿クリームを塗る
水仕事、トイレ、入浴の後など、水に触れた後や乾燥を感じたときは、とにかく何度でも保湿クリームを塗ってください。そのほか、洗い物は何度もせず、ためておいてまとめ洗いをする、長風呂をしない、就寝時には綿手袋をするのも有効な予防法です。
いったん悪くなってしまった湿疹については、炎症が強いときはステロイド外用薬を短期間で使用して炎症を抑えるなど、適切な治療が必要です。