ピアッシングをして半年経ちました。最近、ホールにしこりができています。そのままにしておいてもいいのでしょうか?
A.しこりは、粉瘤(ふんりゅう)とケロイドの場合が多く、粉瘤は摘出手術を、ケロイドはステロイド薬や切除手術が必要です。
ピアスの孔をあけると、稀に耳たぶにしこりができることがあります。これは、粉瘤かケロイドの場合が多いです。
ピアスを装着する時にピアスホールに傷をつけると、傷を修復しようとして皮膚ができてきます。その時、耳たぶの皮膚の中にさらに皮膚がまくれ込んだ状態ができることがあります。これが粉瘤のできる原因で、皮膚表面の粉瘤と同じ状態が耳たぶの中にできて、しこりになったものです。粉瘤の治療は摘出手術をします。
粉瘤よりもやっかいなのがケロイドです。ケロイドといえばヤケド痕のイメージがありますが、軽い怪我でも治った後、傷痕が盛り上がっていることがあります。これがケロイドです。
ピアスの孔をあけた後、傷が治らなかったり、感染症を起こしたりするとケロイドになることがあります。また、耳の軟骨部分にピアスの穴を開けるとケロイドになりやすいと言われています。そのままにしておくとどんどん大きくなってしまい、強い痛みをともなって、硬くなり真っ赤に腫れあがることがあります。
ケロイドの治療は、小さいうちはステロイドの局所注射(2~4週間ごとに6回程度)をしたり、ステロイド薬のテープを貼って治療しますが、耳は目立つ場所でもあり、大きくなって美容的にも気になるときは手術で切除します。
ケロイドは、安易に切除するとかえって大きくなってしまうので、通常は手術で切除しませんが、ピアスホールにできたケロイド(ピアスケロイド)は、完全に切除して丁寧に縫合すれば手術後の再発はごく稀です。