父の介護をしています。紙おむつの股のギャザー部分に湿疹が出ています。ステロイド薬を塗っても全然よくならないのですが、おむつかぶれではないのでしょうか?
A.「皮膚カンジダ症」かもしれません。湿疹やおむつかぶれとは治療法が違うので要注意です
「おむつかぶれ」や「あせも」の薬を塗っていて、一向に改善しない、またはかえって悪化したという場合、皮膚カンジダ症が疑われます。
「皮膚カンジダ症」は、外から感染したものではなく、カビの一種「カンジダ菌」が繁殖して炎症を起こしたものです。湿気が多くムシムシする梅雨から夏場にかけてが、もっとも発症しやすい時期です。
発症には、寝たきり、肥満、糖尿病などの基礎疾患のほか、おむつの使用、多汗、不潔などが関係します。患部は、皮膚と皮膚がこすれ合う、わきの下や股、乳房下、肛門周辺など間擦部(かんさつぶ)が中心です。
赤ちゃんや寝たきりの高齢者のおむつの中、背中、首など、あたたかくて通気性の悪いところは、とくに菌が繁殖しやすい場所です。また、仕事で日々ゴム手袋をつけている人も、中がムレて、水かきの部分に炎症を起こしやすくなります。また、この炎症は下痢が長引いたり、ステロイド外用薬の誤用により発症することもあります。
感染を予防するためには、こまめにおむつを替えたり、ゴム手袋をして汗をかいたと思ったら、すぐに手を洗って乾かすなど、皮膚を濡らしたままにしないことが大切です。
かゆみがあったり、ヒリヒリしたり、あるいは何も感じなかったりと、症状は人それぞれです。見た目は、おむつかぶれやあせもと似ていますが、よく見ると白っぽいウミを持った小さなブツブツがある場合もあります。視診で正確な判断はできませんので、ふやけた部分の皮膚を少し取って、顕微鏡で菌がいないかどうかを調べると、すぐに結果がわかります。
治療には、外用の抗真菌薬を処方します。おむつかぶれと違って、ステロイド薬を使うと悪化させてしまいますので、皮膚に炎症が見られたら、自己判断せずに受診しましょう。