30代の女性ですが、フェイスラインのニキビが、一つ治っては一つできての繰り返しです。お医者さんが処方する内服薬があると聞きましたが、どのようなものなのか教えてください。
A.炎症の強いニキビが多発しているときには抗生物質の内服薬を処方します。“必要な期間だけ服用”が肝心。
ニキビといえば、思春期の肌トラブルと思われがちですが、ニキビのお悩みで受診する方は、20代~ 40代の働く女性にも多くみられます。
原因は、仕事が忙しいために、ストレスや睡眠不足、食事の偏りなどニキビの原因となる問題を複数抱えているから。とくにフェイスラインにしつこくできる大人のニキビに悩む人が多くいます。
ニキビが慢性化していたり、膿(うみ)をもつなどの炎症を起こしていると、完治には時間がかかります。一度深くまで炎症が及ぶと、炎症が治まった後も、色素沈着が消えるまでに6か月~1年はかかるため、早く症状を食い止めることが重要です。
ニキビの治療で使う内服薬には、ビタミン剤や抗生物質がありますが、炎症の強いニキビが多発している場合は、ニキビ菌をやっつける抗生物質を服用します。ニキビの治療に用いる抗生物質には、比較的副作用が少なく長期間内服することができるテトラサイクリン系やマクロライド系などを使用するのが一般的です。また、毛穴のつまりを取り除く「ディフェリンゲル、ベピオゲル、エピデュオゲル」や、抗生物質の「ダラシンゲル、アクアチムクリーム、ゼビアックスローション」などの外用薬を併用すると効果的です。
しかし、抗生物質は、長期間飲み続けると、薬が効かなくなる耐性菌ができてしまうことや、胃腸を荒らしてしまうといった副作用があります。症状がよくなれば、いったん服用をやめるという決まりを守って服用するのがポイントです。
副作用をむやみにおそれて薬を飲まずにニキビの炎症を長引かせたり、反対に薬をやめたらまたニキビができてしまうのではとおそれて必要以上に飲み続けるのではなく、必要な量を必要な期間だけ服用することで、ニキビの完治を目指しましょう。