30代後半の女性です。思春期はニキビで悩んだことがなかったのに、今になって口のまわりにニキビがよくできます。どうすればいいですか?
A.大人のニキビは、難治性。抗菌薬とビタミンC誘導体の併用が効果的です。
女性に多いのが、大人の二キビ。正式には思春期後ざ瘡(そう)といい、難治性のニキビとして近年注目されています。
思春期後ざ瘡は、思春期にニキビができなかったのに、思春期を過ぎてからできてしまったという傾向があります。
その特徴は、
- 20〜40代の女性に多い
- 多忙でストレスの多い仕事に就いている
- 10代のニキビがおでこや鼻などのTゾーンにできるのに対して口のまわりやあごなどのUゾーンにできやすい
- 白ニキビ(閉鎖面皰)や黒ニキビ(開放面皰)が多い
- アンドロゲンという男性ホルモンの上昇の影響がある
などです。
皮膚の乾燥や睡眠不足によって皮膚の代謝が低下すると、毛穴の出口が詰まり、毛穴に皮脂がたまってニキビができます。また、強いストレスや不規則な生活によるホルモンバランスの乱れが原因で皮脂の分泌が進みます。こんな要因でできる「思春期後ざ瘡」は、抗菌薬外用だけでは治りにくく、ビタミンC誘導体外用を一緒に使うと効果があります。
ビタミンC誘導体には皮膚に炎症を起こす活性酸素そのものを除去する抗酸化作用があります。さらに、肌の代謝を活発にする、コラーゲン合成促進、皮脂分泌の抑制など肌そのものへの作用があり、角化の異常を改善することができます。ビタミンC誘導体の種類には、APS(水溶性)、VCIP(油溶性)、APPS(水溶性+油溶性)などがあり、肌質や季節によって使い分けができます。