就職後は頬の赤みを化粧で隠していますが、限界を感じ、他人の視線がいつもに気になります。きれいな肌になりたいです。
A.赤ら顔の症状は実にさまざまです。まずは医師の診断を。
「赤ら顔」の原因には、毛細血管拡張症、酒さ、酒さ様皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ニキビ痕、乾燥肌などがあり、原因によって治療法が異なります。
「酒さ」は、中高年に多く見られる赤ら顔で、原因不明の慢性炎症性疾患です。症状に応じて、抗生物質の内服やロゼックスゲル(メトロニダゾール)、アゼライン酸などの治療を行ないます。また、Vビームやポテンツァ(ニードルRF)などの治療を併せて行うこともあります。
「酒さ」と似た症状に、酒さ様皮膚炎があります。おもにステロイド外用薬の長期使用が原因で起こるもので、まずステロイド外用薬を中止し、リバウンドの経過をみながら治療方針を決めていきます。
毛細血管拡張症は表皮の下の毛細血管が拡張して起こるもので、血管が糸状に透けて見える状態です。子どものころから赤ら顔である、小鼻のわきに血管が目立つ、頬部に血管が浮いてきたなども毛細血管拡張症です。毛細血管拡張症はVビーム、ポテンツァ、フォトフェイシャル、ロングパルスYAGレーザー(ジェネシス)が有効です。
脂漏性皮膚炎は皮脂が酸化して、その刺激で炎症が起きます。皮脂分泌が盛んで肌がゴワゴワとして厚いのに、水分不足で肌あれを起こしてかさかさしています。治療にはおもにステロイド外用薬を使用しますが、前述の酒さ様皮膚炎にならないように長期使用は避けます。また、最近マラセチア菌というカビの一種が関係していると考えられていることから、抗真菌薬も併用します。
ニキビによる赤ら顔については、一度できるとその赤みが肌色になるのに6か月〜1年ほどかかるので、新しいニキビを作らないようにすることがポイントです。
最後に、アレルギーや日焼けなど、何らかの理由で肌が炎症を起こしている場合も赤ら顔になります。ステロイド外用薬で炎症を早く抑えます。ここで大切なことは、一度肌荒れを起こすと皮膚のバリアー機能が正常になるのに6週間ぐらいかかるので、ステロイド外用薬で症状が改善したあとも、保湿外用薬をしっかり使用します。ほてりやすい肌の人は、水分はもちろん油分も足りない乾燥肌であることが多いので、普段から肌を乾燥させないお手入れを心がけることが大切です。