手の甲の皮膚の一部(1円玉大くらい)の色素が抜けて、白くなっています。人目に触れる場所で気になるのですが、どんな治療方法がありますか?
A.「白斑」や「乾癬」には「エキシマライト」が効果的です。
皮膚の色がまだらに白く抜ける尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)は、手の甲にかぎらず、全身どこにでもできる病気で、大人でも子どもでも発症します。原因ははっきりしていませんが、メラノサイトやメラニンに対する自己免疫などが関係すると考えられています。
これまでは、「尋常性白斑」の治療にはステロイド外用剤を塗る治療や、全身に光を当てる「ナローバンドUVB」による治療などが行われてきましたが、なかなか決定的な治療法がありませんでした。いま、新しい治療法として期待されているのが、エキシマライトという機器を使ったターゲット型光線療法です。この治療法は患部に絞って部分的に光を当てられるので、患部以外への紫外線照射を最小限に抑えることができるという利点があります。さらに波長が308ナノメートルの紫外線を選択的に患部に照射できるので、改善しにくかった部分的な皮膚病変に効果があることが確認されています。
「尋常性白斑」のほかに、エキシマライトが有効とされる皮膚疾患に、カサカサとした赤い斑が関節部や全身にできる尋常性乾癬(かんせん)や、手のひらや足の裏に膿をもった膿疱(のうほう)ができる掌蹠(しょうせき)膿疱症などが挙げられます。尋常性乾癬は爪に出ることもあり、この場合は白くカサカサになります。
治療の際、光の照射は1カ所に数秒から数十秒です。照射後すぐに見た目が変化するわけではなく、1週間から2週間に1度ほどの割合で照射し、経過を見ます。
なお、このエキシマライトは子どもにも使え、保険診療が適用されます。