アトピー性皮膚炎の治療でステロイド外用薬と保湿剤を使っています。赤みやかゆみが治まってきたので、治療をやめたいのですが。
A.炎症が治まっても再発を防ぐため、保湿剤を塗ってスキンケアを続けて。
アトピー性皮膚炎は、まず炎症を抑え、ダニやハウスダストなど、人によって異なる悪化因子を取り除き、保湿剤によるスキンケアを続けることで、治療を進めます。
炎症があるときによく使われるステロイド外用薬は、炎症やかゆみを抑える効果があります。ステロイド外用薬は5段階の強さに分けられ、体の部位や症状、年齢などを考慮して、薬の強さや塗る回数を決めます。吸収力が強い陰部や顔には弱いものを、吸収力が少ない手の平や足には強いものを、症状が改善したら弱いレベルのステロイドや、免疫抑制剤であるプロトピック外用薬に切り替えるなど、医師の指示に従ってきめ細かく使い分けていきます。かゆみが強い場合は、こうした外用薬のほかに抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬など、内服薬を併用します。
いったん皮膚の炎症が治まってもすぐに治療をやめず、まずは医師の診断を受けてください。アトピー性皮膚炎の患者は、もともと乾燥肌でバリア機能が弱いのが特徴。再び悪化させないため、炎症が治まっても、スキンケアをこまめに続けることが大切です。
スキンケアは、皮膚を清潔に保ち、保湿剤は入浴後5分以内に塗るなど、しっかりと保湿することが基本。保湿剤は、乳液タイプやクリームタイプ、軟膏タイプなど、肌に合わせて処方します。
アトピー性皮膚炎は、短期間で完全に治すことは難しく、日常生活に支障のないレベルを目指しながら、粘り強く治療を続けることが必要です。定期的に病院に通って、医師に皮膚炎の状態を診てもらいながら、日ごろのスキンケアを忘れずに続けてください。