足の裏や指がかゆくて、見ると細かい水疱ができています。水虫かも、と思って市販の薬を塗っていますが、なかなか改善されません。
A.通称ニセ水虫といわれる「汗疱(かんぽう)」かもしれません。
むし暑い季節になると、水虫で受診する患者さんが多数いらっしゃいますが、水虫と症状は似ていても、水虫でない場合がよくあります。その代表格が、汗疱です。汗疱に炎症を伴ったものを異汗性湿疹(いかんせいしっしん)と呼ぶ場合もあります。
汗疱は、手のひらや手指の側面、足の裏に、かゆみをともなう小さな水疱が多数できる再発性疾患です。夏に発症して悪化し、秋になると軽快するのが特徴。原因は明らかではありませんが、夏に発症することや、汗をよくかく人によくみられるので、汗が間接的に影響を及ぼしていると考えられています。
相談では、「水虫の薬を塗っても良くならない」ということでしたが、汗疱と水虫では治療が異なります。水虫には水虫の原因菌である白癬菌をやっつける抗真菌薬を、汗疱にはステロイド外用薬が有効です。そのため、汗疱に水虫の薬を塗っても症状は改善されませんし、水虫にステロイド薬を塗ると、逆に悪化してしまうこともあります。
湿疹が汗疱なのか水虫なのかは肉眼では判断できません。皮膚科などで、皮膚の一部を取って顕微鏡で白癬菌がいないかどうかを調べてもらってください。検査結果はその場ですぐにわかります。
原因がはっきりとわかっていない「汗疱」にはとくに予防法はありませんが、水虫のように人に移すことはありません。