昨年の夏は、お風呂上がりにベビーパウダーを付けていても、子どもに「あせも」がたくさんできてしまいました。親ができる適切な予防策を教えてください。
A.手洗いのたびにヒジまで洗ったり、おしぼりを持ち歩いたり、こまめに汗を取ったりしてあげましょう。
あせもは、大量に汗をかくことで、汗が皮膚の外に出切れず、汗の通り道である汗管(かんかん)からまわりに染み出して炎症を起こした状態です。
小さい子どもにあせもができやすいのは、新陳代謝がよいこと、さらに、汗を分泌する汗腺(かんせん)の数が子どもと大人で総数が変わらず、子どもの汗腺が密集していることがあげられます。
あせも予防は、なんといっても日常生活の中で小まめな対策をすることです。洋服はコットンのTシャツなど風通しや汗の吸収のよいものを選び、汗をかいたら、着替えをさせてあげること。パジャマのズボンは、短いものではなく、ヒザ裏の汗を吸収する長ズボンがおすすめです。外出時はおしぼりケースを持ち歩いて、たくさん汗をかいたら、おしぼりをぬらして押さえるように拭いてあげましょう。また、手を洗うタイミングで、ヒジまで洗ってあげるのも効果的です。
できてしまったあせもは、3~4日しても治らないようであれば、受診をおすすめします。かゆいのは子どものストレスになりますし、寝ている間にかきこわしてとびひを併発することもありますので、なるべく早くかゆみを抑えてあげることが大切です。あせもには、弱めのステロイド外用薬を使うのが有効です。0歳児、1歳児など小さな子どもにも使えます。
「ベビーパウダーを使ったほうがいいですか?」とよく聞かれますが、衣類との摩擦を少なくして、あせもを予防するという意味ではよいのですが、すでに湿疹ができているところには使用を控えてください。予防のために、お風呂上がりに付けるときは、体の水分を十分に拭き取って、乾いてから薄く付けましょう。湿った体に付けると、パウダーがダマになり汗腺を塞いでしまうので、逆効果です。