花粉症の私。この時期には、くしゃみや鼻水だけでなく、肌も不調に。顔にぽつぽつと赤い湿疹ができ、化粧ののりも悪いです。これも花粉症のせいなんでしょうか?
A.花粉が原因で顔や首に赤い発疹が出る、「スギ花粉皮膚炎」かもしれません。
春になると、お肌のかゆみや赤みに、花粉症との因果関係を感じて来院する方は、意外にたくさんいらっしゃいます。スギ花粉が原因の肌荒れにはスギ花粉皮膚炎と呼ばれるものがあり、アトピー性皮膚炎を基礎疾患に持っている方によく見られますが、基礎疾患のない方が発症することも珍しくありません。
「スギ花粉皮膚炎」を発症すると、顔や首などの露出部分が、花粉に反応して赤くなったり、かゆくなったりします。掻くとどんどん悪化するので、いかに早く症状を抑え、保湿などのスキンケアに移行できるかが重要です。
治療には、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服が効果的です。また炎症が強い場合は、症状に合わせたステロイド外用薬で平行して治療を進めます。
花粉症の薬を飲むと、一様に眠くなると思っている方がいますが、眠くなりにくい薬もあります。眠くなるという人には、眠くなりにくい薬を、夜は食事の時間が不規則になったり、お酒を飲むことが多いという人なら朝1回服用の薬というように、医師と相談のうえで、生活スタイルに合った薬の選択ができます。
スギ花粉皮膚炎の予防策としては、皮膚のバリア機能を正常に保つことが大切です。皮膚のバリア機能が低下していると、スギ花粉が侵入しやすくなるため、ドライスキンや、その原因となる洗顔のしすぎ、洗顔の仕方には十分注意すること。また、外出の際は、帽子、メガネ(花粉症用ならさらによい)、ナイロンの上着の着用などを心がけ、玄関では衣服を払う、換気の時間を短くするなどして、家の中になるべく花粉を持ち込まないようにしましょう。