夫のフケが急に増えました。スーツを着るととくに目立ち、本人も気にしています。毎日シャンプーしているようですが、何か頭皮の病気なんでしょうか?
A.「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という病気の可能性があります。
髪をかき上げるとパラパラと大量のフケが落ちてくる、毎日髪を洗っても改善しない、フケが出るあたりの頭皮がかゆい……そんなときに疑われるのが脂漏性皮膚炎です。
「脂漏性皮膚炎」は、頭皮、眉、鼻のわき、脇の下など皮脂腺の多いところに発症する皮膚炎です。この病気には成人型と乳児型があり、乳児型は、皮膚を清潔に保っていれば生後3か月ほどで自然に治癒していきますが、成人型は良くなったり悪くなったりを繰り返す、経過の長い病気です。
頭以外の部位では、鼻のまわりや耳の後ろ、ワキの下、背中、胸など、汗や摩擦の多い部位で症状が見られ、かゆみを伴う場合もあります。
「脂漏性皮膚炎」にかかる原因ははっきりしていませんが、カビの一種であるマラセチアに由来するといわれています。治療には、おもにステロイド外用薬や抗真菌外用薬を併用します。頭に症状がある場合は、抗真菌外用薬をシャンプーに混ぜて、やさしく頭皮をマッサージするように髪を洗って、4~5分置いてからすすぐという方法がおすすめです。抗真菌成分を含む「コラージュフルフルシャンプー」も有効です。
治療によって、いったんは症状が治まっても、根本から治す方法はありませんので、生活習慣を見直しながら上手に付き合っていくことが大切です。
睡眠不足やストレス、バランスの悪い食事は、見直すよう心がけましょう。また、食物では、もち米、脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料などは炎症を悪化させることもあり、控えめにしましょう。
フケが気になるからといって、シャンプーの回数を増やしたり、ゴシゴシとこすりすぎると、症状を悪化させることがありますから注意してください。