足を骨折して療養中の母に「床ずれ」ができました。治療法と今後の予防対策について教えて下さい。
A.「床ずれ」の原因はさまざま。まずはその原因を取り除くことが大切です。
床ずれ(褥瘡・じょくそう)は、体の部位が一定の圧力で持続的に圧迫されることで起こります。2時間同じ状態が続けば床ずれができるといわれ、自分で姿勢を変えることが難しい人には注意が必要です。その他に、栄養不良、肌の乾燥、汗や排泄物に皮膚が長時間さらされることも原因にあげられます。床ずれの治療は、傷の状態によって、ぬり薬を使用する、ポケットと呼ばれる大きな穴洞があれば手術や薬剤で治療する場合もあります。
しかし、なにより大切なのは床ずれの原因を取り除くことです。まずは定期的な体位変換を行いましょう。体圧分散マットやクッションを利用するのも効果的です。肌を清潔に保ち、乾燥を防ぐため、保湿剤を使ったスキンケアも重要です。床ずれになりやすい人は皮膚が薄く弱くなっているので、石鹸は弱酸性など刺激の少ないものを選び、洗うときは強く擦らず、ぬるま湯を使用します。マッサージも強く擦ると皮膚がずれて床ずれのきっかけになるため、やさしく行います。床ずれは思わぬところにできるものです。肌のケア時に皮膚をよく観察し記録しておきましょう。これが早期発見に役立ち、早期治療につながります。
栄養が十分でないと、皮膚も健康な状態が保てなくなります。毎日の食事内容にも気を配りましょう。糖尿病、慢性呼吸疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患など、基礎疾患がある場合は、まずは主治医に治療方法を相談してください。