家族で湯たんぽを使い始めました。「低温やけど」にならないために注意すべきことと、どういう症状になるかを教えてください。
A.心地よい温かさでも、6~10時間、肌に密着すると「低温やけど」になります。
湯たんぽやカイロ、こたつ、ホットカーペットなど、「心地よい温かさ」と感じる温度のものであっても、長時間、密着して触れ続けることによって、皮膚は熱による損傷を受けます。これを低温やけどといいます。
45℃ほどの低い温度で6~ 10時間、50~ 60℃だと1~2時間の接触で低温やけどを起こすと考えられています。皮膚を圧迫するような状態で触れていると、血流が悪くなるため、時間はさらに短くなります。
最初は少し赤いくらいで痛みもありませんが、数日~1週間で、真っ黒なかさぶたのようになります。やけどは深さによって1度・2度・3度と程度が分けられますが、低温やけどは、たいてい真皮や皮下組織まで損傷する2度・3度のレベルに達し、治癒後、痕が残ることも少なくありません。
低温やけどは、通常のやけどと違って、水で冷やしてもそれほど応急手当の効果が期待できません。一見すると軽いやけどのようでも、実際は重症のことが多いため、早めの受診を心がけてください。治療は、塗り薬を処方して患部に潤いのある状態を保ちながら、保存的治療を続けます。患部が深ければ、皮膚や壊死した皮下組織を切除したり、体の別の部位の皮膚や皮下組織を移植するなどの手術が必要になることもあります。
就寝時に湯たんぽを使うなら、タオルで巻くのではなく、袋状のものに入れるようにしましょう。また、湯たんぽが直接体に触れないよう、できるだけ離れたところに置いてください。カイロを使用する際は、必ず衣服の上に貼り、使用時間・用法を守ること。疲れているときやお酒を飲んで眠りこんだときは、熱に気づきにくくなります。こたつやホットカーペットでそのまま寝てしまわないよう、気をつけてください。