11月下旬頃に、急に足の裏や指にボツボツと大きめの赤い斑点が出てきました。むずむずとかゆいのですが、何の症状でしょうか?
A.紅斑型の「しもやけ」かもしれません。季節の変わり目に出やすくなります。
「しもやけ」は、寒暖差による血行不良が原因で起こる疾患で、手や足の指、鼻先など、血液の循環が悪い末端によくできます。昼と夜の温度差が10℃以上になる晩秋や早春によく発症します。
体質や遺伝もありますが、手足に湿り気があると熱を奪って冷えるため、多汗症の人や、仕事でゴム長靴、ゴム手袋を身につけている人、水仕事の多い人はかかりやすくなります。また、基礎疾患に動脈硬化がある人も、気温の変化に血管の収縮が対応できないため、しもやけにかかりやすくなります。
手足が湿ったら乾いた布でよく拭くこと、手袋や靴下が濡れたら早めに乾いたものと取り替えるといった予防策が必要です。「しもやけ」には2種類あって、一般的なのが、手や足の指がソーセージ状になって赤紫に腫れる樽柿(たるがき)型。そして、大小の紅斑が環状に広がる紅斑(こうはん)型があります。後者の場合、相談者のように、「この赤いボツボツは何?」と受診され、「しもやけ」と聞いて驚かれることもしばしばあります。
治療には、血液の循環をよくするビタミンEの内服薬を処方し、患者さんにはヘパリン類似物質含有の保湿剤「ヒルドイド」を朝晩にすりこみながらマッサージをしてもらいます。炎症症状が強い場合、あるいは湿疹性変化を伴っている場合は、ステロイドの外用薬を併用することもあります。
症状がひどくなると、皮膚の一部に潰瘍ができることもあります。放っておくと細菌感染を起こして悪化することがあり、こうなると、やけどの治療のように抗生剤を使ったりします。
「しもやけ」と似た症状に、薬疹や膠原(こうげん)病の一種であるエリテマトーデスなどもあるので、季節外れの発症や梅雨明けになっても治らない場合は、必ず受診してください。