毎年夏になると、胸や背中にまだらなシミが広がる「黒ナマズ」に悩まされます。治療中に心がけることなどを教えてください。
A.「でん風(ぷう)」は、抗真菌外用薬の塗布を。医師がいいというまでやめないことが大切です。
茶色っぽいシミのようなものが背中や胸などにまだらに広がる「でん風」は、黒色でん風または俗名で「黒ナマズ」とも呼ばれます。皮膚の色素の色が抜けて白くなる場合もあり、これを白色でん風、「白ナマズ」と呼びます。
いずれも原因は皮膚表面に付着した「でん風菌(マラセチア・フルフル菌)」が繁殖したもので、4月~9月頃に発症しやすい病気です。年齢・性別をとわず発症しますが、20代~ 40代の人がかかることが多いようです。
「でん風菌」は皮膚の常在菌で、成人のおよそ9割が、毛根などの脂漏部位に胞子の形で持っているといわれています。なぜ「でん風菌」が繁殖する人としない人がいるのかは解明されていませんが、カビ・菌に弱い体質や、汗をかきやすい体質が関係しているといわれています。水虫などと違って人にうつることは、ほとんどありません。
患部にかゆみや痛みはありませんが、放っておくと広がるため、受診のうえ、早期治療が必要です。
診断の際は、視診の後、皮膚の表面をこすり取り、顕微鏡で菌がいないかどうかを調べます。菌が確認できれば、治療には抗真菌外用薬を処方します。
「でん風」を再発させないためには、医師がやめていいというまで抗真菌外用薬の塗布をやめないことが大切です。見た目で症状が治まったと思っても、菌が残っていることがありますので、必ず医師の判断を仰ぎましょう。また、汗をかいたらシャワーを浴びたり、シャツを着替えたりして、清潔と乾燥を保ちましょう。