ページ内を移動するためのリンクです。

スタッフブログ

乳児血管腫(いちご状血管腫)の治療について

医師の澤田です。

当院では近隣の小児科から生後数か月のお子さんのアザの治療についてご依頼をいただくことがあります。その中でも多いのが乳児血管腫(以前は「いちご状血管腫」と呼ばれていました)です。

赤アザとも言われ、未熟な血管内皮細胞が増殖する良性腫瘍です。
乳児の有病率は1.7%で、女児の方が多いと言われています。経過としては、生後2週間程度で徐々に目立ち始め3~5ヶ月ごろに最も大きくなります。 1歳までには退縮しはじめ小学生になるまでにほとんどが消退します。

しかし、血管腫の部位や大きさによっては毛細血管拡張や皮膚のたるみなどが残ってしまう可能性があり、その場合は治療が必要です。

当院では色素レーザー(Vビーム)という乳児血管腫が治療できるレーザーを導入しております。ヘモグロビンの赤い色に選択的に吸収され、その熱エネルギーが熱伝導によって血管壁に拡散し血管壁を破壊することで乳児血管腫を退縮させます。

腰のあたりにある乳児血管腫を色素レーザーで治療した症例写真です。

3回のレーザーを行い、ほとんど消退しました。この後、さらに消退していきますので完全に消えるまでレーザーを照射しなくても大丈夫です。(保険適用となりますので、乳幼児医療証をご提示いただければ、費用のご負担はありません。)


しかし、乳児血管腫が広範囲であったり、目や口、肛門周りなどレーザー治療では厳しい部位などはへマンジオルシロップという治療薬があり、その場合は副作用や全身状態を見ながらの投与になるため大きな病院へご紹介させていただくこともあります。

治療をご希望の方、あるいはご心配な方は、まずは一度診察にお越しください。(当日は診察のみとなりますので、ご了承ください。)