美肌によいといわれるプラセンタについて教えてください。医療機関のプラセンタは、市販品とどこがどう違うのでしょうか?
A.お母さんのおなかの中で赤ちゃんの生命を育むのがプラセンタ。ヒト由来のプラセンタは、医療機関だけで処方できます。
プラセンタとは胎盤のこと。胎盤は母親の体内で胎児と母体をつなぎ、胎児を育てる臓器です。もともと女性の体に備わっているものではなく、受精卵が子宮内壁に着床して初めてつくられ、役目を終えると出産とともに母体外へ排出されます。
受精卵はわずか10か月という短期間に重さ約3㎏もある赤ちゃんへと成長しますが、この生命を育むのがプラセンタです。たんぱく質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、酵素、細胞増殖因子やサイトカインなど、豊富な栄養と各種有効成分を多く含んでいるため、全身の器官の機能低下を補う力を持っています。
このプラセンタから抽出されたエキスを、注射や内服などにより治療に用いるプラセンタ療法があります。
プラセンタは、コラーゲンの生成促進、抗酸化作用、美白、保湿など美肌作用に用いられるだけでなく、肝機能低下、自律神経調整、生理痛、生理不順、腰痛、肩こり、冷え性、便秘などの改善にも有効とされています。たとえば、女性ホルモンが不足している場合は分泌を促進させ、更年期障害の症状にも有効です。
医療機関で扱うプラセンタ「ラエンネック」はヒト胎盤から抽出したもので、もともと肝硬変や肝炎などの肝臓を治療する厚生労働省に認められた治療薬です。筋肉注射や点滴治療と内服薬があります。